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特別栽培米は普通のお米よりおいしいの? お米づくりのプロがおいしさの秘密を解説|御稲(みいね)プライマル
2022.11.23 特別栽培米

1. 特別栽培米とはどんなお米?

特別栽培とは、自然環境に配慮し、自然の力・作物本来の力を使って育てる栽培方法のこと。農水省のガイドラインでルールが定められており、農薬や化学肥料の使用は規定の半分以下に減らすというのが大きな特徴です。すべての基準をクリアして認定を受けたものだけを「特別栽培農産物」と表示できます。

 

◯特別栽培米については、こちらの記事が参考になります!
「特別栽培米」って何?どんなお米なの?米づくりのプロが詳しく解説します

 

後藤社長「御稲プライマルの特別栽培米は、地元でつくられた堆肥と有機質の肥料を使っています。また、田んぼまわりの雑草も除草剤を使わずに人力で草刈りをしているんですよ。日照不足や低温が続くなど天候が悪いと稲が病気になりやすいのですが、もし病気になってしまっても追加で農薬が使えないので、特別栽培米は日々の管理にとても気を使います。」

 

2. 特別栽培米はおいしい!

当社では収穫したお米のあらゆる分析・測定を行っています。全般的に当社のお米は甘みや香りがあるのですが、特別栽培米はより一層それらを感じられるようです。実際に食べてみても、他のお米と比べて粒がしっかりしてかみ応えがあり、甘くて味わいが違うと感じます。

 

3. なぜおいしい?特別栽培米のおいしさの理由

では、特別栽培米がなぜおいしいのか、これはあくまで私見になりますが、作物が自然に近い形で健康的に育っているからではないか?と考えています。農薬や化学肥料の使用量が減って、土壌が持っている自然の力や作物自体の力が存分に引き出されて、お米が元気に育つからだと思います。

例えば、鶏のケージ飼いと平飼いを思い浮かべると分かりやすいかもしれません。ケージ飼いでは、常に空調が制御され栄養バランスも調整され病気などにも素早く対処できます。一方で平飼いの場合、鶏の行動範囲が広いため外敵によるケガなどのリスクが高まりますが、ストレスが大きく軽減されます。どちらの環境で育った卵や肉がおいしそうだと思いますか?何となく平飼いの方が、のびのびと力強く育っておいしそうなイメージが湧きませんか?同じような理由で特別栽培米もおいしく感じられるのではないでしょうか。

特別栽培米に長年取組み続けてきましたが、農薬や化学肥料を抑えることによって、実際に土が変わってきたと感じています。土が変わって、作物の出来も変わって、食べたときの味にも違いが出てきたと感じるようになりました。

 

後藤社長「特別栽培=必ずおいしい。とは言い切れません。農薬や化学肥料を減らしたら絶対においしくなるのではなく、自然の力で健康的に育った場合、作物本来の味わいが強く感じられておいしいのでしょう。もちろんおいしさの感じ方には個人差があることが前提になります。」

 

 

4. 特別栽培米のおいしさの裏にある安心安全とは

特別栽培米の「安心安全」について触れたいと思います。特別栽培というと「安心安全」と思われる方が多いでしょう。私たちつくり手にとっては、この言葉は非常に慎重に扱わなければならないと考えています。

「安心」は前述のおいしさと同じように個人差があります。国産で安心する、ブランドで安心する、人で安心する… 様々な要素に対して自分の価値観というフィルターをかけたときに納得できるもの、それが「安心」です。

一方、「安全」は数字で表すことが可能で客観的に見ることができます。つまり、誰が見ても明らかに判断ができるのが「安全」です。

これらを踏まえたうえで、私たちができること・すべきことを次のように考えています。

①お客様が安心判断できる材料や仕組みを整えること。 ②可能な限り客観的および科学的な裏付けを示すこと。

特別栽培米においては、農薬の使用回数や化学肥料の成分量が農水省の規定で明確に定められていることや、商品に貼付されているラベルで栽培履歴等の詳細や生産者情報を確認できることがお客様の「安心安全」につながるかと思います。

 

5. 土地の力でおいしく育つ

自然の力を最大限活用する特別栽培米は、その土地の気候風土とは切っても切れません。御稲プライマルの特別栽培米がおいしいのは、この土地の持つ力のおかげでもあります。

ここ福島県本宮市は昔から米どころとして有名で、江戸時代より御城米として幕府に納められていました。東には阿武隈山地から連なる山麓、西には日本百名山に数えられる安達太良山の山容を望め、市内には安達太良山の神々を祀る安達太良神社もあります。自然の豊かさと四季の移り変わりを間近で感じられる地域であり、山々が育んだ肥沃な大地と温暖な気候が、米づくりに適した環境を与えてくれています。

米づくりに欠かせない水にも非常に恵まれています。一級河川である阿武隈川をはじめとした様々な川、複数の湧き水や清水、そして市内の水源として中核を担っている安積疎水(用水)があり、安定して良質な米づくりを行うことができます。水が豊富な土地だからこそ、米づくりが根づいたのでしょう。やがて酒や味噌、糀へと米文化を軸に食の進化を続けてきました。

当社の特別栽培米をつくっている本宮市青田地区は特に、水だけでなく土や気候も米づくりに適していると地元でも有名です。米の生育には、夏は夏らしく、冬は冬らしい気候で、特に夏の昼夜の寒暖差が大きいほどいいと言われています。また、土は粘土質が適しているようですが、ここはまさにそれらの条件がそろっている素晴らしい土地です。

 

後藤社長「ここ本宮市は豊かな自然に囲まれ、水、土、気候にも恵まれて、米づくりに本当にいい土地です。おいしいお米ができる水田をずっと大切に残していきたいから少しでも環境に負荷をかけたくないという想いもあります」

 

6. おいしさをキープする特別栽培米の管理

せっかくおいしく育ったお米も管理次第では品質が悪くなってしまうため、収穫後の製造管理にも気を配っています。手塩にかけて育てた特別栽培米をよりおいしく味わってもらえるように、御稲プライマルでは製造から発送まで一元管理にこだわっています。

〇商品製造について

精米機は使用していると米ぬかが段々と固まって機械に付着し、それがお米と一緒に混入してしまう恐れがあるので注意が必要です。特に無洗米機は使用する度に清掃しています。異物混入がないか、充填後も目視確認を行っています。

〇保管について

お米の保管は温度管理が重要です。低温倉庫にて年間14℃~15℃(お米の保管に適している)を維持して保管しています。また、害虫駆除業者と連携して、ネズミや虫が倉庫内に侵入しないよう年間を通して対策しています。

〇発送について

お客様に喜んでいただけることを思いながら、ていねいに確実にかつ迅速に、スタッフが一致協力して作業を行っています。ご注文いただいた商品は、「商品名・内容量・お届け先・商品状態」などに不備がないか、二人体制で厳重に確認を行い発送しております。

〇梱包について

クラフト袋と真空パックの2種類を用意しています。クラフト袋は、すぐに使い始めたい方や環境配慮へ取組みたい方にオススメです。真空パックは長期保存が可能なので、備蓄などに推奨します。当社の品質保持試験では、最長1年半まで品質が保たれています。

〇その他

当社は、JGAPとFGAPの認証農場となっています。この認証制度は、自然環境を意識した栽培、リスク管理や農場運営の考え方などが求められています。これらの基準項目に適合した上で、米づくり商品づくりを行っています。

御稲プライマル_後藤社長

御稲プライマル後藤社長

■教えて後藤社長 Q&A

Q 農薬や化学肥料は使わない方がいいの?

A 農薬や化学肥料を使用するかどうかは生産者の経営判断によります。使うからいい、使わないからいいということではなくて、どういった米づくりをしたいかなんですよ。例えば、害虫を忌避する農薬を使うと害虫対策は楽で、お米の仕上がりもきれいになります。一方で、それを使わないと甚大な害虫被害が出て、収穫量が少なくなったり見た目も悪くなったりしますよね。そういったリスクを作り手がどう判断するかということです。

Q 御稲プライマルの特別栽培米には農薬や化学肥料を使っていますか?

A 私は農薬や化学肥料を極力使わないことに賛成ですが、最低限は活用するというスタンスです。人間で例えると、風邪をひいたら風邪薬を飲みますよね。それくらいであれば稲に対しても影響がないと思っています。薬を一切使わない方がかえって身体が悪くなる場合もあるかと。過剰はもちろんだめですけどね。基本的には、少しでも自然の状態に近づける努力をして循環型農業をしていきたいと考えています。

Q 販売している特別栽培米の種類について教えてください!

A 品種はコシヒカリになり、「玄米」「白米」「無洗米」からお選びいただけます。それぞれの特徴を説明します。

〇玄米…白米に比べて玄米には食物繊維やミネラル、タンパク質が多く含まれ、少量でもたくさんの栄養を摂取することができます。好みが分かれますが玄米には玄米のおいしさがあり、モチっとした食感もやみつきになりますよ。消化はあまりよくないので、初めて食べられるときは白米に少量を加えて試していってください。

〇白米…玄米に比べると栄養価は低くなりますが、食べやすく様々なおかずに合います。個人的には特別栽培米のおいしさを感じられるこちらをオススメします。

〇無洗米…お米の研ぎ不足、過剰な研ぎ、米の砕けがなく、ごはんの炊き上がりにムラがありません。うま味を残した無洗米製法なので、お手軽においしく食べられるところがいいですよ。

Q 特別栽培米のおいしい食べ方はありますか?

A 味や香りが強いお米なので、シンプルに食べてもらうのが一番だと思います。まずは素材を堪能できる、塩おにぎり。それから、海苔や漬物などと合わせて食べてみてください。ぜひ、よく噛んで味や香りを楽しんで欲しいです。ごはんを深く美味しく味わうことができますよ。

Q 特別栽培米のおいしい炊き方は?

A 少し固めに炊くと、食べたときにお米の弾力を感じられて、いっそう味わいが際だちます。水の量は少なめ(炊飯器のメモリの下くらい)にして、浸水時間を30分ほどとるといいですよ。新米の場合はさらに水分量を減らしてくださいね

Q 特別栽培米をおいしく保つ保存方法は?

A 温度と湿度がポイントです。14度くらいの冷暗所での保管がベスト。夏は特にお米の保管に気を付けてください。家庭ではペットボトルなどの容器に入れて、冷蔵庫の野菜室やシンク下に保管するのがいいと思います。

御稲プライマル_特別栽培米_収穫

御稲プライマル 特別栽培米 収穫