もち米を家で炊いてみたいと思っても、「炊飯器で普通に炊けるのかな」「水加減はどのくらいなんだろう」「ベタベタしすぎないかな」と、少し不安に感じる方は多いかもしれません。
ふだん炊いているうるち米とは性質が違うので、たしかに少しだけ気をつけたいポイントはあります。けれど、難しく考えすぎなくても大丈夫です。基本さえ押さえれば、家庭の炊飯器でも十分おいしく炊くことができます。
御稲プライマルでも、もち米は特別な道具がなくても楽しめるお米だと話していました。ここでは、炊飯器で失敗しにくいもち米の炊き方と、水加減の考え方を、できるだけわかりやすくお伝えします。
もち米は炊飯器でもちゃんとおいしく炊けます
まずお伝えしたいのは、もち米は炊飯器でも問題なく炊けるということです。
「もち米は蒸し器じゃないと難しそう」と思われることもありますが、家庭で気軽に始めるなら、むしろ炊飯器のほうが取り組みやすいくらいです。最近は「もち米モード」が付いている炊飯器もあるようですが、御稲プライマルのお話では、基本的には普通の炊飯モードで十分とのことでした。
炊飯器で炊いたもち米は、水分がほどよく残るので、しっとりやわらかく仕上がりやすいのが特徴です。おはぎのように丸めたり、やわらかめに食べたいときには、炊飯器の仕上がりはとても向いています。
初めてもち米を扱う方ほど、まずは気負わず、いつもの炊飯器で試してみるのがおすすめです。
基本の流れは、思っているよりシンプルです
もち米を炊飯器で炊く流れは、実はそれほど複雑ではありません。
やることは、大きく分けると次のような流れです。
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もち米を洗う
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しっかり浸水させる
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炊飯器に入れて水を加える
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普通の炊飯モードで炊く
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炊き上がったら少し蒸らす
こうして見ると、ふだんのお米を炊く手順とそこまで大きくは変わりません。
ただ、もち米ならではの大事なポイントがあるとすれば、「浸水」と「蒸らし」です。この二つを丁寧にしてあげるだけで、炊き上がりの印象はかなり変わってきます。
水加減は、基本的には普段のお米と同じで大丈夫
もち米を炊くとき、いちばん気になるのはやはり水加減ではないでしょうか。
御稲プライマルでは、「基本は普通のお米とほぼ一緒で大丈夫」と話していました。もち米だからといって、最初から極端に水を増やしたり減らしたりする必要はないそうです。
これは少し意外に感じるかもしれませんが、まずはいつものごはんと同じ感覚で始めてみるのがいちばん失敗しにくい方法です。
もちろん、やわらかめが好きな方は少しだけ多めにしてもよいですし、しっかりめの食感が好きなら控えめにすることもできます。ただ、最初から水を多くしすぎると、炊き上がりがやわらかくなりすぎて、ベタっとした印象になりやすくなります。
もち米をおいしく炊くうえで大切なのは、水加減を大きく変えることよりも、次にお話しする「浸水」をしっかりすることです。
失敗しないためにいちばん大事なのは、浸水です
もち米を炊くときに、いちばん大切なのは浸水時間だといってもいいかもしれません。
御稲プライマルでは、半日から1日ほど浸しておくのが理想だと話していました。前の日のうちに水につけておけるなら、それがいちばん安心です。もち米の芯までしっかり水が入ることで、炊き上がりがぐっと安定します。
もし時間がないときは、お湯を使う方法もあります。お湯に浸すことで浸水が早まり、1〜2時間ほどでもある程度炊きやすくなるそうです。忙しい日にはありがたい方法ですね。
ただ、やはりじっくり水で浸したほうが、もち米の中までしっかり水が入りやすく、仕上がりも安定しやすいようです。急ぎの日はお湯、時間がある日は水でしっかり。そんなふうに考えておくと使いやすいと思います。
外はやわらかいのに、中に少し芯が残る。そんな失敗は、水加減よりも浸水不足が原因になっていることが少なくありません。もち米を炊くときは、まずこの下準備を大切にしてみてください。
炊飯器で炊くと、しっとりもちもちに仕上がります
炊飯器で炊いたもち米のよさは、しっとり感が出やすいことです。
蒸したもち米と比べると、水分がしっかり残る分、やわらかく、もちもちとした仕上がりになります。まとまりもよく、扱いやすいので、おはぎのように形を作る料理にも向いています。
その一方で、炊き上がった瞬間にすぐフタを開けてしまうと、水分がまだ落ち着いておらず、少しベタっと感じることがあります。これを防ぐためにも、炊き上がったらすぐには開けず、10分ほど蒸らしてから開けるのがおすすめです。
このひと手間だけでも、余分な水分が落ち着いて、食感がぐっと整いやすくなります。
炊きたてを急いで見たくなる気持ちはありますが、そこを少し待ってあげるのも、おいしく炊くコツのひとつです。
蒸すと、また違ったおいしさがあります
御稲プライマルでは、蒸し器で仕上げるもち米についても話してくれました。
蒸したもち米は、炊飯器のものより余分な水分が抜けやすいため、粒感が出て、噛みごたえのある仕上がりになります。おこわや赤飯のように、しっかりした食感を楽しみたいときには、蒸しのよさが出やすいそうです。
ただ、蒸しはどうしても見極めが少し難しく、慣れが必要になります。家庭で初めてもち米を扱うなら、まずは炊飯器で基本を覚えて、もち米の扱いに慣れてから蒸しに挑戦するほうが無理なく楽しめると思います。
同じもち米でも、炊くか蒸すかで食感が変わる。そこもまた、もち米のおもしろいところです。
よくある失敗は「やわらかすぎる」「芯が残る」
炊飯器で炊く場合、大きな失敗はそこまで多くありませんが、気をつけたいポイントはあります。
ひとつは、やわらかくなりすぎることです。これは、水を多く入れすぎたときや、炊き上がってすぐにフタを開けてしまったときに起こりやすくなります。こういうときは、水加減を欲張りすぎないことと、炊き上がり後に10分ほど蒸らすことを意識すると、かなり防ぎやすくなります。
もうひとつは、中心に少し芯が残ることです。こちらは浸水不足の可能性が高いです。もち米はしっかり吸水させてこそ、むらなく火が通りやすくなります。急いでいる日でも、お湯で少し浸してから炊くだけで違ってきます。
難しいことをたくさん覚えるよりも、「浸水をちゃんとする」「炊き上がったら少し待つ」。まずはこの二つを意識しておくと安心です。
もっとおいしくしたいなら、蒸しの途中のひと工夫も
今回のお話の中で、印象的だったのが、蒸し調理の途中で塩水を使う工夫でした。
蒸し布を薄い塩水にさっとくぐらせてから使うことで、塩味をしっかりつけるというより、お米の甘みを引き立てることができるそうです。タイミングは蒸しの真ん中くらいで、濃さもかなり薄め。一瞬くぐらせるくらいで十分とのことでした。
こういう小さな工夫は、長くお米と向き合ってきた方ならではだなと感じます。
家庭でまずは炊飯器から始めるのが安心ですが、蒸しにも挑戦してみたい方は、こうした知恵を取り入れてみるのも面白いかもしれません。
初めてなら、炊飯器から始めるのがいちばんです
御稲プライマルでも、料理が得意ではない方や、もち米を初めて使う方には、まず炊飯器がおすすめだと話していました。
特別な道具がなくても始められて、仕上がりも安定しやすい。これはとても大きな安心材料です。とくに、おはぎややわらかめのおこわなど、まとまりやすさを活かしたい料理には、炊飯器のしっとり感が向いています。
また、餅つき機がなくても、炊いたもち米をすりこぎなどでつぶせば、家庭でも十分に楽しむことができます。昔のような大がかりな道具がなくても、今の暮らしの中で、もち米を楽しむ方法はいろいろあります。
大切なのは、難しそうと思って遠ざけないことかもしれません。
一度炊いてみると、「意外とできるな」と感じる方も多いはずです。
まとめ
もち米を炊飯器で炊くとき、水加減は基本的に普段のお米と同じで大丈夫です。けれど、本当に大切なのは水の量そのものよりも、しっかり浸水させることと、炊き上がってから少し蒸らすことです。
理想は、半日から1日ほどの浸水。
急ぐときは、お湯を使って1〜2時間でもある程度対応できます。
炊飯モードは普通で問題なく、炊き上がったら10分ほど待ってからフタを開ける。
それだけでも、もち米はぐっとおいしく炊きやすくなります。
炊飯器で仕上げたもち米は、しっとりとして、やさしいもちもち感があります。
それは、家庭だからこそ楽しめるおいしさでもあります。
難しく考えすぎず、まずは一度、いつもの炊飯器で炊いてみてください。
湯気の立つもち米を前にすると、「ああ、これでよかったな」と思えるはずです。
記事の監修者

後藤 正人(ゴトウ マサト)
御稲プライマル株式会社
support@miine.co.jp
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